映画『レスラー』を観てきた。
※6月上旬の公開なので、ネタバレ的なことも含まれるので、見たい人は読まないように。
職業上の特権を使って初めて映画の試写会なるものに行ってきたわけだが、簡単に言うとこれは「周囲の思いを無視して好きなことを続ける人間の喜怒哀楽を描いた映画」である。観る者によって映画の印象はかなり違うだろうし、少なくとも自分は観終わった後に、何かを深く考えさせるメッセージのある映画だと感じた。
この映画が素材として扱うプロレスというものを引き合いに出さなくても、この映画が問いかけるテーマと似たようなことは社会のあらゆる場面で見ることができる。世の中では自分の好きなことをしてお金がもらえる――これ以上の幸せはないという人もいる。自分もいまの職を選んだ時、そういう思いが頭をよぎったことは確かだが、はたしてそうなのか。それで食えている場合はいい。食えなくなったときは? また、食えていても時間がなさすぎる場合は?
「好きなことだけをしていく人生は成熟されたものとは言えない。だが、しなければならないことに束縛された人生も豊かとは言えない」と言った人がいる。仮に果たすべき義務と自分に与えられた特性が世になす生産性があったとして、自分の意思がそこに追い付かない場合、どこで妥協すべきなのか?
毎日、いま置かれている境遇、これから進むべき道について思索をめぐらす自分と呼応する、なかなか興味深い映画ではあった。
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